日本ではもはや誰もが知る業態となった「100円ショップ」ですが、アメリカには「99セントショップ」、イギリスには「1ポンドショップ」、ドイツには「1ユーロショップ」、中国には「一伍一拾」と、世界的に圴一価格のストア業態は一般化してきています。手軽な価格で質の良いものが手に入ることから、一般庶民にとっては生活費の節約になくてはならない存在と言えるでしょう。
実はこうした業態は、現代に始まったことではなく、日本では江戸時代から存在していたそうです。
それが「十九文屋」です。
一文は当時のお金の単位で、今で言うと一文はおよそ12円、よって十九文=228円と言う計算になります。100円ショップよりは少し高いイメージですね。(当時、お蕎麦一杯が十六文=192円。)
当初売っていた商品は女性用の日用品、クシやカンザシからスタートして、人気が出るようになると徐々に商品種類を増やしていったようです。
このような商売が生まれたきっかけは、江戸時代のある時期の不景気があったようで、その時モノが売れなくなり、人々に倹約というムードが広まり、そんな中で均一価格でリーズナブルに日用品が手に入るという業態が当時の人々のニーズをつかんだということでしょう。
現代でも90年以降不景気が叫ばれだした頃に100円ショップが一躍人気になり、一気に全国に広まったようですので、奇しくも江戸時代と同じような変遷をたどっていると言えるでしょう。
歴史は繰り返すとよく言われますが、現代社会で起こることは実はすでに過去に経験している可能性が大いにあります。そこにビジネスのヒントが隠されている可能性もありますので、現在・未来の想像だけをするのではなく、時には歴史に学ぶ姿勢も大事ではないでしょうか。
【朝礼ネタ vol.090】