言わずもがな、1万円札の価値は1万円ですが、物理的な”紙”である限り、紙幣にも製造原価というものがあります。
1万円札は”独立行政法人国立印刷局”が製造しており、それを日本銀行が買取、流通しています。
そこで製造にかかっている金額は、約20円と言われています。国の紙幣ですので、凄まじく高い技術で偽造防止対策が施されたものでありますが、それを年間約12億枚（平成30年度）印刷しているそうです。
【平成30年度の紙幣製造枚数計画】
1万円札 12億枚
5千円札 2億3000万枚
千円札 15億7000万枚
20円で製造したものが、1万円の価値を持って流通するということで、日本銀行が残りの9980円の価値を付与しているわけですが、これが国の信用のもとに成り立つ法定通貨という仕組みです。
アフリカや南米ではインフレでお金の価値が10分の1になったり、ひどい時は1万分の1になったりと、世界ではお金の価値が一夜にして激変してしまうことも珍しくありません。幸い日本では大きなことは最近は起こっていませんが、日本の信用が揺らげば1万円札の価値は1万円ではなくなる可能性があることを認識しておいて損はないと思います。
そうしたリスク回避のために、自分の資産を外貨に換えておいたり、あるいは金やプラチナなど現物にしておいたり、あるいは不動産を所有しておくことで法定通貨のリスクは防げる可能性がありますので、ぜひそういった視点を持って、自分の資産を形成したいものです。
【朝礼ネタ vol.049】