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「5秒75」 >>> 50メートル走の日本記録。

高校野球やサッカーなどで俊足と表現される選手を紹介する場合、50メートル5秒7とか5秒8とか、5秒台後半というのが全国レベルの指標になっているようですが、実際にはそんなスピードで走ることができる選手はいないといって良いそうです。

と言いますのも、50メートルの日本記録は、朝原宣治選手が持つ5秒75だそうです。オリンピックレベルの日本一の選手でも5秒75です。陸上部でもない部活の選手でいくら全国レベルといえど、毎年毎年5秒7〜8で走る選手がどんどん生まれることなどあり得ません。

すでにみなさんお気づきかもしれませんが、これは高校スポーツの選手や指導者が嘘をついているわけではなく、単純に計測方法の違いからくるものです。陸上選手は筋肉の些細な動きさえ読み取る電気信号による機械測定なのに対し、野球部、サッカー部の測定はほとんどの場合「手動によるストップウォッチ測定」になります。一般的に、手動計測は電気信号計測に比べて、0.3〜0.5秒遅くなると言われていますから、おそらく高校スポーツにいる5秒後半の俊足選手は6秒台前半ということになるでしょう。

このように50メートル走という一見同じ指標をもとに足の速さを比較しているようでも、実際には測定方法など別の条件が異なっているケースがあるため注意が必要です。これはスポーツに限らず、ビジネスの世界でもたくさんあるようです。データ比較やマーケティングリサーチで数字を扱う場合は、特に気をつけたいものです。

【朝礼ネタ vol.192】

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