雑学ネタ

「4分33秒」 >>> クラシックの迷曲!? 作曲家ジョン・ケージの前衛芸術作品。

「4分33秒」というクラシック曲をご存知でしょうか?

アメリカ作曲家のジョン・ケージが作曲した3楽章からなる楽曲で、1952年に初演されたものです。ただ、その内容がとても変わっていて、「4分33秒」の3楽章は全てTACET(休み)という指示の入った楽譜になっており、これはつまり4分33秒の間、何も演奏をしないというものなのです。ただコンサートでやる場合は、もちろんオーケストラ・演奏者はステージにいて、そこに指揮者も登場します。ただ、何も演奏はせずに無音の4分33秒が過ぎた後、指揮者は聴衆に礼をし演奏終了となり、そこに聴衆は拍手を送るのだそうです。想像するだけで、なんともシュールなシチュエーションですね。

この4分33秒は、難解化したクラシック音楽へのアンチテーゼとして、新たな音楽の価値観・形を提案する前衛芸術的な意味合いがあり、そこが評価されているようです。日本の音楽大学の最高峰と言われる、東京藝術大学の講義などでも実際に題材として取り扱われているそうです。

かつて20世紀美術史に最も影響を与えた美術家として選ばれたのは、ピカソでもなくゴッホでもなく、マルセル・デュシャンという人でした。彼の代表作は既製品の便器にサインをしただけの「泉」という作品。彼が評価されたのは、アートの新しい概念を生み出したからです。

時に後世の創作活動に大きな影響力を与えるのは、優れた作品それ自体ではなく、「既成概念を覆す新しい概念そのもの」である場合もあり、そういう意味でジョン・ケージの残した作品にはそうした価値があると言えるのかもしれませんね。

【朝礼ネタ vol.068】