雑学ネタ

「11億円」 >>> 宇宙服の値段。

2018年9月18日、ZOZOTOWN(ゾゾタウン)の前澤友作社長が2023年以降に世界初の民間月旅行に行くと発表があり、世間を驚かせました。そしてその金額は750億円以上との一部報道もあって大変な話題となりました。

宇宙に関わるものはいつも高額なイメージがありますが、宇宙服もその一つです。
宇宙服には船内活動用のものと船外活動用のものがあり、私たちが映画なんかで見慣れていて、イメージしやすいのは背中に何かリュックのようなものを背負ったタイプの宇宙服かと思いますが、あれは船外活動用の宇宙服で、「船外活動ユニット(EMU = Extravehicular Mobility Unit)」と呼ばれているそうです。重量は120kg、サイズは3種類しかないそうで、身長が165cm以上でないとフィットしないとのことで、船外活動をするにはその身長が必要となります。

そして、船外活動ユニットのお値段は驚きの1000万ドル(約11億円)!!
とても高額ですね。

さらに船外活動ユニットには「当時の製造技術が継承されていない」という問題があるそうで、研究や試作は進んでいるものの、技術的な難しさから近年新たな宇宙服の製造は完了しておらず、今使用されている宇宙服は1965年にNASAが開発した18着のうち11着がいまだに現役として使われているのだそうです。200億円以上の研究コストが費やされたにも関わらず、50年以上たった現在でも新たな宇宙服が作れていないというのは何だかとても不思議な話のように思えますが、それほど高い技術を必要とするプロダクトなのでしょう。

このように、かつて人々が作ることができていたものも、その技術が継承されなかったせいで、後世の人々がその技術を再現しようとしてもう一度同じ研究を行わざるを得なくなり、結果莫大なコストが必要になるというのはとてももったいない話だと思います。技術がきちんと継承されていれば、もしかしたら同じ宇宙服を11億円よりももっと低価格で作れていたかもしれません。

私たちの仕事に置き換えますと、それは「業務の引き継ぎ」だと思います。後々に余分なコストをかけないために、引き継ぎには細心の注意と十分な時間・手間をかけたいものです。

【朝礼ネタ vol.092】